娘の小学校の図書室から『ぼくらの七日間戦争』をはじめとした『ぼくら』シリーズが撤去されたそうだ。娘から聞いた話なんで、ホントかどうかわからないが、「校長先生が読んじゃダメ」と決めた結果らしい。
「えぇ、なにが問題なの? お母さんが子どものころから、人気の本なのに」
「でもね、小学生が読んではいけないようなことが書いてあるんだってさ、だから、ダメ」
「うーーん、確かに、大人や先生たちを子どもがやっつける話だけどね。だからって、読んじゃいけない話ではないよ」
図書室の改装工事に合わせて蔵書を整理した結果らしいので、真偽のほどはわからないが、子どもらは上のように受け取っている。
まぁ、大人が子どもに与える情報をコントロールするには、アクセス制限をかけるのが手っ取り早いけどなぁ。
ここんとこそういうのはなんだが、こういうコントロールが厳しくなっている気がする。学校や保育園などの書棚を見ると、なんとなく無難なロングセラーが多いような気もする。無制限に与えろとかは思わないが、ちょっとしたクレームがどこからか入ると、すぐ撤去ってのは、公園の遊具だけの現象ではない気がするな。こういう現象をエスカレートさせないためには、どうしたらいいんだろう。
「なぜ、これを与えてはいけないと考えるのか」
ひとりの思いつき、いや、猛烈な集団抗議にしても、それが正当なものかを吟味する段階を踏まないと、まずいんじゃないかなぁ。今回の話は、校長先生は学校のトップで、管理権限があるから、図書室にどういう本を置くかを独断で決定できるからで、はい終了って話なのかもしれんが。
心配なのは、『ぼくら』といっしょに撤去された本もあるらしい。それがどういう内容で、どういう点が問題だったのか。わからないってことだ。たまたま、今回は、人気の本が対象となったから、子どもたちも騒いたが、なんとなくで消えていっている本もある気がする。
私個人としては、良心の砦と信じている図書館がもはやそういう状態ではないかもと思ったのは、kmizusawaさんのところで「堺の図書館でBLが抗議されて撤去」という話を知ったからで。
ブコメつけられそうなので、一応書いておくが、なんでも揃えろとかいう話ではないよ。「どういう基準かわからないが、公共の図書館が購入を決めた本が、いきなり撤去される」ということには、説明責任があるって話だ。小学校の図書室なんて小さな話だが、なんとなく、こういう小さなことが積み重なって、なんかをすごく大事なものを失っている気がするんだけど、まとまらないや。
ちょっとステキな後日談。
図書室にはなくなった『ぼくら』シリーズではあるが、娘のクラスのシリーズ全巻を読破していた子が「すごくおもしろい話だよ」と吹聴したおかげで、みなが「貸して、貸して」となり、その子の持っている『ぼくら』が、今、クラスでブームなんだとさw。
ちなみに品川区では、区立の図書館と学校の図書室がオンラインで結ばれて、図書館の本を学校に取り寄せることができるらしい。
「今、読みたい子には、図書館から借りるようにすればいいんだよ」とアドバイスしておいた。
そういうのはなんだが、図書館や図書室を規制しても、あんまり効果がないと思うんだがなぁ。
私が子どものころに「子どもは見ちゃいけないもの」をたんまり見たのは、病院の待合室にあった週刊誌であり、床屋にあった大人向けの漫画だった。あぁ、待つのがなんと楽しかったこと。『微笑』とか、『堕靡泥の星』とか、無造作に置いてあったものなぁ。
自分の中では、ゾーイングしようが、発禁にしようが、大人が遠ざけたいものを見つけて、子どもは読むだろうなと。それを読んだ子たちがどう受け止めるか。なんとなく、そこの部分を助けるしかない気がするんだけど。